幽霊になって世界をふらふらしたい。
幽霊気分になるのが好きです。
大学構内で誰もいない階の空き教室で、自販で買ってきたコーヒーを飲みながら課題やったり。
都会の街中で、人が少ない物陰に隠れて人を行きかう人をぼんやり眺めたり。
懇親会で、そっと人の集まりから離れて、隅っこで静かに話している人々の表情をみたり。
(自然の中で一人きりも素晴らしいですが、一度鞍馬山に一人で登った時は命の危機を感じたので幽霊になるのは時と場所を考えたいと思います)
存在感を希薄に。無個性に。誰の目にも入らないように。
干渉されることもすることもなく。いてもいなくても世界が変わらないようなモノになりたくなることが、あります。
世界と切り離された感覚は、少しの寂しさと、それに勝る開放感を併せ持っています。
ただただぼんやりと世界を見つめたい時は、自分が自分であることを忘れるのです。
私というフィルターがないことで、より世界をそのまま味わえる楽しみがあると思います。
人間は名前や顔や出自などの情報をたとえ捨てたところで、感性や思考回路まで捨て去ることはできません。
自分から完全に逃げることは不可能です。
それでも、私は私の人生に疲れたとき、気持ちだけでも自分ではない、もはや人間でもないなにかになりたくなるのです。